直木賞作家・宮部みゆき先生が手がける大人気時代ミステリー『ぼんくら』シリーズの第四巻(第4作)は存在せず、今後発売される予定もありません。本シリーズは『ぼんくら』『日暮らし』『おまえさん』の全3作をもって完結を迎えています。単行本および講談社文庫はいずれも各上下巻(全6冊)として刊行されており、4作目の新作は発表されていません。
「第四巻の発売日はいつ?」「3作の続きはどうなっている?」と行方を追っている読者に向けて、本記事ではシリーズ第四巻が存在しない背景や全作の正しい読む順番、同一の世界観を引き継ぐ関連作からおすすめの時代小説まで詳しくお届けします。
『ぼんくら』シリーズ第四巻が存在しない3つの理由
累計発行部数500万部を超える屈指の人気を誇りながら、なぜ「第四巻」が刊行されていないのか、その背景には以下の3つの明確な要因が存在します。
1. 三部作構想として物語が美しく完結したこと
本シリーズは、本所深川の鉄瓶長屋で起こる住人たちの不穏な出来事を描く第1作『ぼんくら』、長屋の過去と複雑な因縁が浮き彫りになる第2作『日暮らし』、そして大きな節目を描き切った第3作『おまえさん』の3部作構成となっています。主人公の同心・井筒平四郎や天才的な頭脳を持つ甥の弓之助をめぐる人間ドラマは、第3作で一つの揺ぎない終着点に到達しています。
2. 文庫版が「上下巻(全6分冊)」であることによる巻数の混同
講談社文庫版では、全3作がいずれも上下巻の2分冊(合計6冊)に分かれて出版されています。書店や通販サイトの書誌一覧で「上・下」が連続して並んでいるため、「4巻」という数字を単行本4作目のことだと勘違いしてしまう読者が多いことも要因の一つです。
3. 同一世界観を引き継ぐ新シリーズ『きたきた捕物帖』への発展
宮部みゆき先生は『ぼんくら』の物語をそのまま第四巻へと続けるのではなく、同じ深川の街を舞台にした新たな姉妹シリーズ『きたきた捕物帖』へと創作のバトンを繋ぎました。実質的な物語の広がりが新シリーズへと移行したため、単独の「ぼんくら第4巻」は執筆されていません。
宮部みゆき『ぼんくら』シリーズの正しい読む順番
本シリーズは登場人物たちの絆や成長が緻密に積み重なっていく構成となっているため、必ず刊行順に読み進めるのがおすすめです。
【第1作】『ぼんくら』(上・下)
昼行灯に見えて実は並外れた洞察力を持つ同心・井筒平四郎と、驚異的な頭脳を持つ美少年・弓之助が、鉄瓶長屋の住人失踪事件の裏に潜む人間の業に迫るシリーズの原点。
【第2作】『日暮らし』(上・下)
記憶力抜群の少年・おでこが遭遇した不思議な事件を契機に、長屋に潜む過去の因縁と人の心の深淵を描き出す重厚なミステリー。すべての伏線が美しく回収される構成は圧巻です。
【第3作】『おまえさん』(上・下)
長屋の差配人・久兵衛や煮売屋のお徳など、おなじみの面々が直面する人生の決断と哀歓を描き切った集大成。平四郎の眼差しと人情の温かさが胸に深く迫る感動巨編です。
『ぼんくら』シリーズ好きにおすすめの江戸人情・捕物ミステリー小説3選
『ぼんくら』が描く江戸の温かな人情や、市井の人々が織りなす極上の謎解きを楽しみたい方へ向けて、心からおすすめできる3作品をご紹介します。
きたきた捕物帖
『ぼんくら』シリーズの舞台である深川の街を引き継ぎ、若き岡っ引き・北一が相棒の喜多次とともに一人前へと成長していく公式関連シリーズが『きたきた捕物帖』です。『ぼんくら』でおなじみの政五郎親分や、成長したおでこ(三太郎)が差配人として北一を支える姿が描かれており、実質的な後継作として真っ先に手に取るべき傑作です。

しゃばけ
日本橋の大店「長崎屋」の病弱な若だんな・一太郎が、愉快で頼もしい妖怪(妖)たちの力を借りながら江戸の難事件を解決していく畠中恵先生の大人気シリーズが『しゃばけ』です。ユーモアあふれる掛け合いと、仲間や家族を慈しむ優しい人情味は『ぼんくら』ファンに深く響きます。

みをつくし料理帖
大坂から江戸に出てきた天涯孤独の少女・澪が、数々の困難を乗り越えて料理人として腕を磨き、人々を幸せにしていく高田郁先生の感動作が『みをつくし料理帖』です。江戸の長屋の人情味豊かな支え合いや、繊細に描かれる人の心の機微が読者の心を温かく包み込みます。
『ぼんくら』シリーズに関するよくある質問
宮部みゆき先生の『ぼんくら』シリーズの正しい読む順番は?
『ぼんくら(上・下)』『日暮らし(上・下)』『おまえさん(上・下)』の刊行順に読むのが最適です。登場人物たちの年齢の推移や信頼関係の深まり、長屋をめぐる人間関係の移り変わりが連続しているため、順番どおりに読み進めることで作品の魅力を余すところなく味わえます。
ぼんくらシリーズの第四巻(続編)が今後執筆される可能性はありますか?
単独の「ぼんくら」名義での第四作が刊行される予定はありません。物語の精神や深川の舞台設定は新シリーズ『きたきた捕物帖』へと受け継がれており、そちらで登場人物たちの後日談的な繋がりを楽しむことができます。
ぼんくらシリーズの登場人物が再登場する関連作品はありますか?
PHP研究所より刊行されている『きたきた捕物帖』シリーズに、深川の親分衆やおでこ(三太郎)をはじめとする馴染み深い面々が登場します。『ぼんくら』の読者にとって心躍るサプライズや温かな繋がりが随所に散りばめられています。
まとめ
本記事で整理した『ぼんくら』シリーズの重要ポイントは以下の通りです。
- 宮部みゆき先生の『ぼんくら』シリーズは全3作(文庫全6冊)で完結しており第四巻の発売はない
- 作品の正しい読む順番は『ぼんくら』『日暮らし』『おまえさん』(講談社文庫)の刊行順
- 井筒平四郎や弓之助たちが生きた深川の世界観は関連シリーズ『きたきた捕物帖』へ継承中
- 江戸の人情と謎解きを味わいたい読者には『しゃばけ』や『みをつくし料理帖』もおすすめ
江戸情緒あふれる深川の空気感と、市井の人々に向ける温かな眼差しは、時代を超えて読む人の心を優しく満たしてくれます。三部作をじっくり堪能した後は、ぜひその精神を受け継ぐ『きたきた捕物帖』へと歩みを進め、豊かな物語の世界を心ゆくまでお楽しみください。

